トッパーはベッドの上にも、床にも敷けます。ただしベトナムの床は畳ではなくタイルで、湿気を一切吸いません。日本で「万年床はよくない」と言われていたことが、ここではもっと短い日数で起こります。
ホーチミンで部屋を借りて、ベッドが硬すぎる。あるいはベッドを使わず、日本にいた頃のように床に敷いて寝たい。どちらの場合も、店で「トッパー」と呼ばれている薄い敷物が候補に挙がります。
敷布団とは別のものですが、使い道は重なります。違いと、ここの気候で気をつける点を書いておきます。
トッパーは「表面の一枚」であって、新しいベッドではありません
トッパーは、今あるマットレスの上に重ねる薄い層です。肩と腰が毎晩あたる面をやわらげます。マットレスの奥、芯の部分の問題には届きません。
だから判断はひとつの問いに収まります。眠れない原因は表面にあるのか、それとも中まで沈んでいるのか。
硬いけれどへたっていないマットレスなら、トッパーがいちばん効きます。少しへたっている程度なら、あと数年は使えます。物差しをマットレスに水平に置いて、真ん中の隙間を見てください。わずかに浮く程度ならまだ持ちます。
すでに真ん中が鉢のようにくぼんでいるなら、トッパーでは直りません。当店はマットレスを売っていませんが、それでも申し上げます。敷いた直後は平らに見えても、寝た瞬間に背中は下のくぼみへ落ちます。最初の二週間だけ心地よく、その後は元どおりです。
床に敷く場合 — ここが日本と違います
床で寝ること自体は、この国でもごく普通です。涼しいので、昼寝は床でという家は多くあります。トッパーを敷けば、背中と硬い床のあいだの緩衝になりますし、来客用の寝床にもなります。
ただし畳ではありません。ここの床はタイルで、湿気を吸いません。畳は下から少しずつ湿気を逃がしますが、タイルは逃がさない。体から出た水分は行き場を失い、敷物とタイルのあいだに溜まります。
守っていただきたいのは二つだけです。床を乾いた状態にしておくこと。そして昼のあいだは畳んで立てておくこと。日本で「万年床はよくない」と言われたのと同じ話ですが、湿度が七割ある土地では、同じことがもっと短い日数で起こります。
なお、こちらでは寝具を外に干す習慣がありません。理由は別の記事に書きました。畳んで風を通すだけでも、敷きっぱなしとはまるで違います。
安いトッパーと、そうでないもの
通販の二十万ドン前後のものと、数百万ドンのものは、写真ではほとんど同じに見えます。違いは上に張られた生地で、三日目の夜に気づきます。
安いものはたいていポリエステルです。丈夫で、染めやすく、しわにならない。作る側には扱いやすい繊維です。ただ、ほとんど吸いません。ポリエステルの水分率はおよそ0.4%で、体から出た汗は繊維に引き取られず、肌が触れているその場に残ります。エアコンが効いているのに背中だけ湿っているのは、たいていこれです。
レーヨンはセルロース、つまり綿と同じ系統です。水と相性がよいので、湿気をいったん吸い、時間をかけて空気へ戻します。肌の当たる面が乾いていやすい。
当店のトッパーのカバーは、Quatest 3 の検査書でレーヨン51.2%、ポリエステル48.8%と出ています。ポリエステルの短所を書いている記事で、その数字をそのまま出しておきます。レーヨンが肌側の湿気を引き受け、ポリエステルが洗濯を繰り返しても伸びないよう支える。どちらが良い悪いではなく、どこにどれだけ置くかの話です。
レーヨンには弱点があり、濡れると強度が半分ほどに落ちます。だから洗い方はやさしくとお願いしていますし、カバーを縫い付けずに外せる作りにしてあるのもそのためです。
一分でできる見分け方
手の甲を生地に当てて、一分そのままにしてください。離したとき、肌がわずかに湿ってすぐ乾くなら、その生地は湿気を扱えています。生地の側に水滴の跡がはっきり残るなら、吸っていません。
今お使いの寝具で同じことをすれば、比べられます。道具は要りませんし、商品説明のどの一文よりも正確です。
卵の話と、それが証明しないこと
生卵を一メートル半ほどの高さからトッパーの上に落としたことがあります。割れませんでした。撮った映像に編集はありません。重ねた綿の層が衝撃を受け止め、跳ね返さなかったということです。同じ高さからタイルや硬いマットレスに落とせば、卵は割れます。
ただ、これが示すのは衝撃を吸うということだけです。よく眠れるかどうかを証明する実験ではありません。寝心地は体重も寝姿勢も人によって違います。おもしろい映像ではありますが、それ以上のものとしては出しません。
くわしくはトッパーの一覧 ›をご覧ください。迷われたら、今のマットレスの状態を書いて送っていただければ、買わないほうがよい場合はそう申し上げます。